エレクトリックバイオリンとは? |
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機器、装置には大きく分けて、音をひろいあげて電気信号に変えるための「ピックアップ」とよばれる部分と、それをアンプなどの外部の機器と接続するための配線やジャックなどの部分とがあります。広くはアンプなど拡声部分までも含めて一体と考えて、その全体をエレクトリックバイオリンとすることもあります。
もともとは普通のアコースティック・バイオリンの音量の不足をおぎなうために、あれこれ工夫された一つの手段でしたが、電気楽器としての新しい可能性が見えてきて、次第にアコースティックとは別の楽器としても考えられるようになってきました。
世間一般に「エレクトリックバイオリン」と呼ばれる状況は、おおざっぱに3種類に分けられるので、それを比較対照してみたのが下の表です。もちろんきれいに分けられるものではないのですが...。
方式 | 長所 | 短所 | 日本で入手しやすい 楽器の例 注1 | |
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[A] | 通常のバイオリンにピックアップを付けたもの 注2 |
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[B] | 通常のバイオリンのボディを持つ楽器にピックアップを組み込んだもの | |||
[C] | ソリッドボディにピックアップを組み込んだもの | |||
注1 国内で入手でき、メーカー、販売サイドに、ある程度のアフターサービス体制が整備されているもの、という意味での例として揚げてみました。 | ||||
注2 タイピンマイクなどと俗に呼ばれるミニチュアコンデンサーマイクを付けた場合も[A]に含めて考えるケースもありますが、ここでは除外します。 | ||||
注3 ヤフオクや通販で入手できる楽器にもっとたくさんの種類がありますが、ほとんどが楽器として性能が低く、一定の水準を越えていないと思われるので、ここでは除外しました。 |
しかし、現状ではエレクトリックバイオリンとしての定番的アプローチが確立されていないので、ギターの世界とは違って、極端な話[A]をエレクトリックバイオリンと言っているケースも珍しくはないのです。もう少したくさんのバイオリニストが出てこないと、このへんの基準は定まってこないでしょう(ま、こんなことはどうでもいいことではありますが)。機材も、ピックアップ以外はギターなど他の楽器用のを流用するか、汎用品を使うしかなく、選択が非常に難しくなっているのが残念なところです。プレイヤーが増えれば、自然と機材もいろいろ出てくるでしょうから。
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