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 Barcus-berry 5-String Violin
BARCUS-BERRYのこのバイオリンは、正式にはモデル名を"VIOLECTRA(ビオレクトラ)"というようです。5弦であるところを強調したいから、わざわざ名前をそうしたんでしょう。10年近く前に生産中止になり、現在では4弦のモデルのみ入手でき、600ドルくらいらしいです。Elderlyあたりの通販のカタログに載っています。ドイツのヘフナー製のボディを輸入して、自社のピックアップを組み込み、自社ブランドで売っている、と言う製品です。かつてJean Luc Pontyと言うバイオリニストが契約アーティストの看板で、来日コンサートでステージに青や赤など色違いの4弦、5弦のモデルを10本くらい並べ、取っ替え引っ替え弾いていたのを思い出します。通常のボディを持ち、ブリッジも通常のものなので、音量を大きくしていくと音にクセが出てきて、ハウリングもしやすくなります。

 ただし、Mwtoはピックアップ部分をL.R.BAGGSにのせかえています。このピックアップの方が、出力が大きく、音のクセもすくなくて自然です。元々ついていたブリッジが弦高が低かったので、それを高くすることができ、ずいぶん弾きやすくなりました。一番低いC弦だけビオラの弦なので、どうしてもテンションが足りなかったんですが、それもかなり解消されました。※この点は、ヘリコアの5弦セットの使用で、まったく問題はなくなりました。

 バイオリン特有の奏法をしたいとき、アコースティックなイメージのサウンドが欲しいとき、アンプが使えないとき、などに、こっちの楽器を使っています。音は小さいものの、単体でもバイオリンの音がするので、レコーディングでアコースティックバイオリンとしても使ったりしてます。5弦に慣れてしまったので、どうしても4弦の普通のバイオリンでは思い通り弾けないときがあるんですね。ボディは、5弦である以外はまったく普通のバイオリンと同じなので、バイオリンとしての素質の弱さがどうしても最後のところで出てしまうのが最大の欠点でしょうか。要するに、悲しいかな、安物なんです。

 このバイオリンの場合は、ギターアンプはできるだけ避けて、小さなPA的な(出てくる音に色づけがされないような)システムを組んで、そのスピーカーからの音をマイクで拾ってもらってます。PAにラインで直接送るときもありますが、音の自然さ、演奏のしやすさでは圧倒的にスピーカーの音を拾ってもらった方が上です。
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