N O T E S

  完全にエレクトリックバイオリンと呼べるのは
 ギターを例にとって言うと、[A]はあくまで「アコースティックギター」として扱われ、エレクトリック楽器としては見なされないのが通常です。ピックアップでひろった音も、生で弾いた音にいかに近いか、と言う方向で処理されるので、加工されるようなことはほとんどありません。

 [B]には、いわゆる「エレアコギター」と呼ばれる疑似アコースティック楽器的なものと、ジャズなどに多く使われる「フルアコースティックギター」と言われるエレクトリックギター(ああ、ややこしい) とがあって、二つはまったく違う性格を持っています。

 前者は[A]よりは踏み出したアプローチがされることがありますが、たいていはアコースティックのイメージのまま、アコースティックギターの代用品です。音は、多くはピエゾのピックアップで拾われ、アンプを使うこともありますが、多くはPAへ直接送るいわゆる「ライン」というやり方で音を大きくします。音づくりも裸でならした音をそのまま大きく、と言うのが普通で、積極的に音を変化させるようなことはしません。後者は、アンプを使って鳴らすことが前提で、音づくりもアンプと込みで考えるのが普通です。ピックアップもマグネティックタイプのが付いているのが普通です。

 [C]になると、「ソリッドエレクトリックギター」などと呼ばれるものになります。アンプを通してこそ、本来の音が出せるようにつくられているものです。このタイプの楽器がたくさん出てきたおかげで、エレクトリック楽器の音楽は急速に発展した、といえます。
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